「何もやる気が起きなくて、気付いたら家がゴミ屋敷になっていた」
「もしかして、これってセルフネグレクト?」
ゴミ屋敷には様々な原因がありますが、自分の身の回りのことができなくなってしまうセルフネグレクトもその中の一つです。
本記事では自分がセルフネグレクトになっている可能性を調べられるチェックリストと、セルフネグレクトになっている場合のゴミ屋敷への対処方法を解説します。
本記事を読むと、無理せず自分に合った方法でゴミ屋敷を片付けられるようになります。
目次
セルフネグレクトとは?ゴミ屋敷との関係
『セルフネグレクト』を病気の名前だと思っている方もいるかもしれませんが、実はセルフネグレクトは病気の名前ではありません。
セルフネグレクトとは、健康や社会生活に必要な食事・衣服・住居などのセルフケアを放棄している状態や行為のことをいいます。
セルフネグレクトになってしまうと多くの人が部屋の整理整頓やゴミ捨てができなくなってしまいます。
そのため、家の中にゴミや汚れが溜まり、やがてゴミ屋敷になってしまうことがあります。
参考ページ:
セルフ・ネグレクトの予防と支援の手引き
自分がセルフネグレクトかも?と思った時のチェックリスト
セルフネグレクトは病気の名前ではなく、法的な定義も決まっていません。
しかし、セルフネグレクトへの支援のための研究や自治体の調査ではある程度「セルフネグレクトに該当する状態」について定義しています。
今回はセルフネグレクトに該当する状態を7つご紹介します。
「もしかしたら自分もセルフネグレクトかも…」とお悩みの方は、次の項目に当てはまるかチェックしてみましょう。
当てはまる項目がある場合には病院や行政に相談するなど早めの対処が必要です。
①数日間入浴をしていない
セルフネグレクトに該当する状態の1つ目は、数日間入浴をしていないことです。
湯船につかっていなくても、シャワーを浴びて清潔にしている場合は当てはまりません。
セルフネグレクトになると「疲れる」「やる気が出ない」などの理由で、数日間またはそれ以上の期間入浴しないことがあります。
数日間入浴をしないと、頭や肌が痒くなったり体から異臭がしてきたりします。
体を清潔にすることは健康を保つためにとても大切なことです。
また、異臭がしないかどうかなど清潔さは人間関係にも影響します。
しかし、セルフネグレクトになると健康や人間関係のために大事だとわかっていても入浴ができなくなってしまうのです。
②衣類に臭いや汚れがあっても洗濯をしていない
セルフネグレクトに該当する状態の2つ目は、衣類に匂いや汚れがあっても洗濯をしていないことです。
セルフネグレクトになると衣類の洗濯を面倒に感じてしなくなってしまうことがあります。
衣類は普段の生活の中で汗を吸ったり、ホコリや菌が付着したりしています。
そのため、洗濯をしないと悪臭や汚れがつくようになり、その服をそのまま着ていると肌荒れがしたり、周りの人に不快感を与えてしまったりするようになるのです。
健康な人の場合は衣類に匂いや汚れがある時は洗濯をしたり古い衣類を処分して新しい物を用意したりします。
セルフネグレクトの人の場合は洗濯せずに同じ衣類をずっと着続けたり、衣類を処分せずに部屋に溜めたりしてしまう傾向があります。
③1ヵ月以上出せていない燃やすゴミがある
セルフネグレクトに該当する状態の3つ目は、1ヵ月以上出せていない燃やすゴミがあることです。
燃やすゴミは生ゴミなど異臭がしたり害虫の発生原因になったりする物が多いため、溜め込まずにすぐ捨てる必要があります。
その燃やすゴミをすぐに捨てていないということは、健康に必要なセルフケアをできていない状態に該当するのです。
自治体にもよりますがほとんどの場合燃やすゴミは週に1〜2回自治体による収集があります。
忙しさや体調不良によって1、2回ゴミが出せないことはよくありますが、1ヵ月以上出せていない燃やすゴミがある場合、ゴミを出せないことが常態化している可能性が高く、セルフネグレクトになってしまっている可能性が高いでしょう。
④部屋に排せつ物などの汚物が放置されている
セルフネグレクトに該当する状態の4つ目は、部屋に排せつ物などの汚物が放置されていることです。
セルフネグレクトの方の中にはトイレに行くことすら面倒になってしまい、排泄物を部屋に放置してしまうことがあります。
例えば、尿をペットボトルにしたり身体機能的にはトイレに行けるにも関わらずオムツで排泄をしてそのオムツを部屋に放置したりすることがあるのです。
排泄物などの汚物が部屋に放置されていると、悪臭がするだけではなく害虫の発生や衛生環境の悪化から病気を発症するリスクも高まります。
また、排泄物の悪臭が部屋や洋服などからするようになると、人から避けられたり近隣住民から苦情を言われたりと人間関係にも悪影響が出ます。
部屋に排泄物などの汚物が放置されている場合は、早急に対処が必要です。
⑤ゴキブリやハエなどの害虫が大量発生しているが放置している
セルフネグレクトに該当する状態の5つ目は、ゴキブリやハエなどの害虫が大量発生していても放置している状態です。
セルフネグレクトになると無気力になり、害虫がいても気にならなくなることがあります。
セルフネグレクトではなくても「害虫が苦手ではないので害虫が大量発生していても気にならない」という方もいるかもしれません。
しかし、害虫が大量発生してしまうと糞尿などで部屋が汚れたり、外部から感染症の原因となる菌を持ち込んだりするため病気になるリスクが高まります。
また、自分の家で大量発生した害虫が近隣住居を出入りするようになると、近隣住民とのトラブルにつながる可能性もあります。
害虫が大量発生している状態は健康・社会生活のために改善すべき状態なので、それが改善できないということはセルフネグレクトに該当する可能性があります。
⑥治療中の病気があるが病院の受診や服薬をしていない
治療中の病気があっても病院の受診や服薬をしなくなってしまうのは、セルフネグレクトの代表的な行為の一つであり、非常に深刻な行為でもあります。
セルフネグレクトになると「面倒」「治療や服薬に意味がないと感じる」などの理由から病院の受診や服薬をしなくなってしまうことがあります。
病院の受診や服薬の中止は、病気によっては命にかかわることもあるため、早急に対処が必要です。
また、治療中の病気だけではなく不調を感じているけれど病院を受診していないケースもセルフネグレクトに該当する可能性があります。
体の不調に合わせて適切に病院を受診したり服薬したりすることは健康の維持・増進に必要なことです。
しかし、セルフネグレクトになると「自分で自分の健康を維持しよう」「今よりも健康になろう」という気持ちを持つことや行動に移すことが難しくなります。
⑦家族や行政からのサポートを拒否している
家族や行政など 周囲が助けようとしても、それを本人が拒んでしまうのもセルフネグレクトの特徴の一つです。
セルフネグレクトになると自分を無価値と感じてしまったり自己肯定感が低くなってしまったりするため、「迷惑をかけたくない」「恥ずかしい」といった気持ちになり支援の手を遠ざけてしまいます。
忙しすぎて余裕が無くなったり病気になったりなど、自分のことであっても自分一人で対応しきれなくなることは誰にでもあります。
そんな時には自分一人で抱え込まずに、周囲に頼ることが大切です。
セルフネグレクトになる原因とは
セルフネグレクトは正式な病気の名前ではなく法的な定義もないため、原因も明確にはわかっていません。
しかし、大きな不安やストレスを感じる出来事や病気がきっかけとなることが多いとされています。
今回は自治体への調査などでセルフネグレクトになる原因として回答率の多かったものを5つご紹介します。
参考ページ:
セルフ・ネグレクトの予防と支援の手引き
第2章 福祉制度の概要と複雑化する課題
その1:近親者の死亡や病気
家族や大切な人など近親者の死亡や病気によってセルフネグレクトになってしまうことがあります。
近親者が亡くなったり重い病気になったりすると、深い悲しみや不安に襲われます。
その深い悲しみや不安で心がいっぱいになってしまい、自分のことが手につかなくなってしまうのです。
近親者の死亡や病気は、うつ病など精神疾患の原因にもなるともいわれています。
セルフネグレクトになってしまうとうつ病などの症状が出ても受診しなくなってしまうため、非常に危険です。
特に一人暮らしの場合、誰にも相談できずにセルフネグレクトや精神疾患が悪化することがあります。
近親者の死亡や病気による深い悲しみや不安が原因で「眠れない」「やる気が出ない」「食欲がない」などの状態が続く場合は、一人で抱え込まずに早めに病院や相談機関に相談するようにしましょう。
その2:自分の病気や失業
自分自身の病気や仕事を失うこともセルフネグレクトの原因になることがあります。
「これからどうしたら良いんだろう」
「クビになるなんて、なんて自分はダメなやつなんだ」
上記のように病気や失業によって金銭や将来の不安が強くなったり、自分に自信が持てずに自分を否定したりしてしまうからです。
病気や失業の場合は、病院や行政に相談して適切な治療・支援を受けることが大切です。
しかし、セルフネグレクトになってしまうと治療や支援を拒否してしまうため、どんどん状況が悪化してしまいます。
例えば、病気で失業して働けなくなった場合でも、傷病手当や生活保護などの支援を受けながら適切な治療を受ければ状況が改善します。
しかし、セルフネグレクトになると支援も治療も受けようとせずに放置して、金銭的な状況も病気の状態も悪化してしまう可能性が高くなるのです。
その3:人間関係によるトラブル
友人や家族、職場などの人間関係によるトラブルもセルフネグレクトの原因になることがあります。
例えば、ケンカやいじめなどで「自分には価値がない」と感じるようになってしまうと、食事や身だしなみを整えることなど自分のケアをする気力がわかなくなってしまいます。
また、「誰とも会いたくない」など他の人への不信感や拒否感が育つと、人に会わなくなったり家に引きこもったりしてしまい、身だしなみなどへの意識も薄くなります。
このように人間関係によるトラブルが原因で自己肯定感が下がったり社会から孤立したりしてセルフネグレクトになってしまうことがあるのです。
人への不信感や拒否感が強い場合は家族や行政からのサポートを拒否しやすく、セルフネグレクトを改善するのが難しい傾向があります。
その4:うつ病などの精神疾患
うつ病などの精神疾患がきっかけでセルフネグレクトになることもあります。
例えば、うつ病になると気力・体力が低下します。
食事や入浴、掃除など身の回りのケアについてもやる気が出なかったり、初めてもすぐ疲れてしまったりしてできなくなってしまうのです。
精神疾患の状態で無理に身の回りのことを自分でしようとすると、病気が悪化してしまうリスクがあります。
適切な病気の治療を受けながらセルフネグレクトについても対処していくことが重要です。
うつ病がゴミ屋敷とも関係がある場合があります。
うつ病とゴミ屋敷については以下の記事で解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
▶うつ病が楽になる?汚部屋は片付けを業者に依頼でリセット!穏やか時間・生活を手に入れよう
その5:認知症
厚生労働省が2018年に発表した「自治体の包括的権利擁護体制に関する調査研究報告書」によると、自治体が考える高齢者のセルフネグレクトの原因の1位は『認知症(疑いを含む)』でした。
認知症を発症すると、食事や入浴、掃除などの日常生活についてやり方がわからなくなってしまったり、やったかどうかを忘れてしまったりして自力でできなくなってしまうことがあります。
つまり、自覚症状なしにセルフネグレクトになってしまうことがあるのです。
認知症自体も自覚症状がなく発症に気付く無いこともあるため、自分や家族、周りの人が「なんかおかしいな?」と感じたら早めに病院や専門機関などに相談するのがオススメです。
参考ページ:
福祉・介護認知症に関する相談先
セルフネグレクトが原因のゴミ屋敷を放置すると危険な理由
「今の状況に困っていない」
「人に迷惑をかけてない」
セルフネグレクトが原因でゴミ屋敷になってしまっても、上記のような理由から放置してしまう人も少なくありません。
しかし、セルフネグレクトが原因のゴミ屋敷を放置するとさまざまな危険が発生します。
その理由のうち特に深刻なものを3つ解説します。
①健康被害や孤独死のリスクが高まる
セルフネグレクトが原因のゴミ屋敷を放置すると危険な理由の1つ目は、健康被害や孤独死のリスクが高まるからです。
ゴミ屋敷にはホコリやカビが発生しやすく、ホコリやカビは喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー症状や病気の原因となります。
また、ゴミ屋敷は害虫や害獣も発生・繁殖しやすい環境になっており、害虫や害獣は家の外から感染症の原因となる菌を持ち込むこともあります。
そんな健康被害がおきやすいゴミ屋敷ですが、セルフネグレクトになっていると病院の受診や服薬もできなくなってしまうため、命に関わる可能性があります。
一人暮らしで病院の治療や行政の支援を拒否してしまえば孤独死してしまうことも考えられるため、非常に危険です。
②火災が起こる危険性がある
セルフネグレクトが原因のゴミ屋敷を放置すると危険な理由の2つ目は、火災が起こる危険性があるからです。
ゴミ屋敷には紙など燃えやすい物がたくさんあります。
そのため、タバコやストーブの消し忘れなどちょっとした火の不始末で大きな火事になる危険があります。
また、火元が無い場合でも自然発火するトラッキング現象という現象もあります。
トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間にホコリと湿気が溜まることで、プラグの両刃に通電して発火してしまう現象です。
ゴミ屋敷はホコリと湿気が溜まりやすいためこのトラッキング現象が起こりやすいうえに、周りに燃えやすいゴミも多いため大きな火事になりやすいのです。
参考ページ:
トラッキング現象って知ってる? | 岡山市
③社会的に孤立してしまうことがある
セルフネグレクトが原因のゴミ屋敷を放置すると危険な理由の3つ目は、社会的に孤立してしまうことがあるからです。
セルフネグレクトになると身だしなみを整えていない恥ずかしさや、社会生活を円滑にする気力などもわかないことから人間関係が希薄になりやすい傾向があります。
さらにゴミ屋敷になってしまうと悪臭を感じる家族から距離を置かれたり、ゴミ屋敷で発生する悪臭や害虫について近所の人から苦情を言われたりしてしまい、どんどん孤立してしまいます。
社会的に孤立してしまうと、セルフネグレクトはますます悪化してしまいます。
セルフネグレクトかもしれないと思ったり何か悩んだりした時には早めに周りの人や病院、行政に相談したりすることが大切です。
セルフネグレクト状態の時のゴミ屋敷への3つの対処法
セルフネグレクトの状態の時は、ゴミ屋敷を自力で片付けるのは難しいケースがほとんどです。
しかし、誰かに頼ることで状況を改善することができます。
セルフネグレクト状態の時でもできるゴミ屋敷への3つの対処法を解説します。
家族や友人などにサポートしてもらう
信頼できる家族や友人がいる場合は、家族や友人などにゴミ屋敷について相談してサポートしてもらいましょう。
まずは話をするだけでも気持ちが楽になることがあります。
ゴミ屋敷の片付けは作業量が多く非常に大変ですので、家族や友人などのサポートを受ける場合でも計画を立てて少しずつ進めるのがオススメです。
ゴミ屋敷の片付け方については以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
▶ゴミ屋敷の片付け方|自力でできる条件と効率よくきれいにするコツ
行政・病院に相談する
セルフネグレクトやゴミ屋敷については、行政や病院など医療機関でも相談できます。
行政に相談する場合は、お住いの自治体の地域包括支援センターに相談がオススメです。
地域包括支援センターとは、住民の健康や生活の安定のために必要な支援を行っており、介護サービスやボランティアなど必要なサービスにつないでくれる施設です。
自治体がゴミ屋敷への対策に力を入れている場合は、ゴミ屋敷についての相談窓口が自治体に設置されている場合もありますので、その窓口に相談するのもオススメです。
医療機関に相談する場合はかかりつけ医がいる場合は、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。
かかりつけ医がいない場合や相談しにくい場合は、主に心療内科や精神科がセルフネグレクトについて相談にのってくれます。
参考ページ:
地域包括支援センターの業務
専門業者に相談する
一番早く楽にゴミ屋敷をキレイにできる可能性が高いのは、ゴミ屋敷片付けの専門業者に相談することです。
ゴミ屋敷の片付けは非常に大変なため、家族や友人に手伝ってもらったとしても手間も時間もかかります。
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セルフネグレクトになっている人にとって専門業者に依頼をするのは、ハードルが高く感じるかもしれません。
しかし、専門業者の多くは相談・見積もりを無料でしてくれます。
まずは相談して業者の人がどんな人なのか、いくらかかるのかなど知ることから始めてみるのがオススメです。
業者の選び方や依頼の流れについては以下の記事でも解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
▶ゴミ屋敷は緊急や最短で片付けできる?業者選びで失敗しないポイントや注意点も
ゴミ屋敷になってしまったらお片付け24時に相談がオススメな3つの理由
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「人間関係のトラブルでうつ病になり、部屋の片付けもできなくなってしまった」
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- 作業時間:3時間半
- 費用:60万円 (頭金0円 3万円×24回払い)
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部屋には引っ越し荷物と不用品が入り混じってかなり散らかった状態でしたが、3時間半の作業でキレイになり、お客様からは「こんなに早く対応していただけるとは思っていませんでした。この度は、本当にありがとうございました!」とのお言葉をいただきました。
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まとめ:セルフネグレクトが原因のゴミ屋敷はなるべく早く片付けよう
セルフネグレクトやセルフネグレクトが原因でゴミ屋敷になってしまうことは誰にでも起こりうる問題です。
しかし、セルフネグレクトが原因のゴミ屋敷を放置してしまうと健康被害や火災などのリスクがあり非常に危険です。
安心・安全に生活するために、まずは部屋の片付けを進めましょう。
部屋の片付けも決して無理せず、家族や友人、行政、専門業者などに頼ることが大切です。
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