「片付けたら怒る家族にほとほと困っている…」
「もしかして病気が原因かもしれない…」
家族が部屋を片付けると突然怒り出したり、感情的になってしまう…このような行動の背景には、統合失調症やうつ病、認知症などの病気が隠れている可能性があります。
本記事では片付けで怒る原因となる5つの病気と、その対処法について詳しく解説します。また、病気以外の心理的要因や、円滑に片付けを進めるためのコツもご紹介しますので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
片付けたら怒るのはこんな病気のせいかも
あなたの家族が部屋を散らかしており、勝手に片付けると怒り出すとしたらこんな病気が原因かもしれません。
①統合失調症
統合失調症の人は脳神経の異常で、正常な思考や日常生活が送れなくなっている状態です。
この統合失調症にかかった人が、部屋を勝手に片付けると激怒したり、暴れたりすることがあります。
これは統合失調症の「ありえないことを妄想して信じ込む」という症状が関係している可能性があります。
あなたから見るとただゴミを集めているだけに見えますが、本人としては「これがバリケードになっている」「ゴミを捨てると、悪い人に個人情報が漏れる」と信じ込んでいるのです。
そのため勝手に片付けられると強く反応してしまうことがあります。
②うつなどの精神疾患
うつ病などの精神疾患が原因で、勝手に片付けをすると怒り出す場合もあります。
うつ病になると無気力から片付けを含む身の回りの世話ができなくなりますが、本人もそのことに罪悪感を抱いています。
その状態で家族が世話を焼くと「無言で片付けて、ダメな私を責めているんだ」という、被害妄想的な思考回路が働くことがあります。
親切で片付けていただけでも、本人は自分が責められていると思い、怒ってしまうのです。
③認知症
認知症は年齢等が原因で脳が萎縮し、認知機能が低下する病気です。
認知症にかかった家族の部屋を片付けると猛烈に怒ったり、泣き出したりする事があります。
これは認知機能の低下からゴミを大切な物だと思い込んでいるからかもしれません。
または、認知症の初期症状では正常な状態と認知機能が低下した状態を行き来する期間があり、患者本人も不安や苛立ちを感じています。
そのような状態の時に、家族が勝手に家を片付けると「子供扱いされている」「私が認知症だと決めつけている」というように、感情的になってしまうのです。
④ためこみ症
ためこみ症とは物を集めなければ不安になる精神疾患です。
物に対して異常な執着を持ち、捨てることに極度の不安を感じる症状から、家族が勝手に片付けたり物を捨てると激怒する事があります。
ためこみ症にかかると物に執着を持ってしまい、物を捨てることに苦痛を感じるようになることから、自分の所有物に誰かが触れることも許せなくなってしまいます。
家族から見れば不要な物でも、本人にとっては「大切な物を勝手に捨てられた」と感じてしまうので、喧嘩になってしまう事が多いでしょう。
⑤発達障害
発達障害を持つ人も、勝手に自分の物や部屋を片付けられると怒る傾向があります。
特に自閉症の人は一定のルールをもとに物を配置することを好み、決まったルーティンや環境が変わるのを嫌います。
そのため自分の部屋の物の配置が変わったり、ゴミであっても所有物を捨てると大暴れするケースも。
ADHDの人は順序立てて物を進めるのが苦手な人が多く、「片付けよう」と思っても実行までに時間がかかってしまい、部屋が悲惨な状態になることがあります。
昔から片付けが苦手だと言うと意外に思われるのですが、躁鬱の症状が酷かった全盛期よりマシな今の状態でこれです✋🏻💦ちなみにADHDの診断も受けてコンサータを服薬しています。食べ物のゴミは溜めなくなったぶん改善はした方なのですが、まだまだ私にとって継続的な整理整頓の難易度は高いです🥲 pic.twitter.com/GQv2lEuAqj
— イカと申します。 (@_i_k_a_s_a_n_) September 5, 2024
そのタイミングで親などが部屋を片付け始めると「今始めようと思ったのに」と癇癪を起こす可能性があるでしょう。
なお、発達障害が原因で感情の抑制が苦手な人もおり「片付けてよ」と指示を出すだけで、大暴れするような人もいます。
片付けられない病気についてはゴミ屋敷の原因は病気かも?よくある病気の種類と解決策をご覧ください。
片付けたら怒る…病気以外の原因
片付けたら怒る原因は、病気だけではありません。
もしかしたらあなたの伝え方に問題があったり、片付けられない理由がある場合もあります。
喧嘩をせずに片付けを促すには、まず相手の心理に寄り添うのが大事です。
ここからは病気以外で片付けると怒る理由について解説します。
1. 無意識に相手を批判しすぎている
片付けをする際に「なんでこんなこともできないの!」「いつも散らかして!」のように、無意識にきつい言葉をかけているのかもしれません。
あなたもいつも部屋を散らかされるので、鬱憤が溜まっているのは理解できます。
しかし、部屋を汚くしている人の多くは少なからず罪悪感を持っています。
それなのに強く責められるとついカッとなってしまうのです。
片付けて相手を怒らせるのを避けたいなら事前に「片付けよう」と声をかけたり、批判はせずに黙って片付けたほうが良いでしょう。
2. 物へ愛着を感じている
不用品を家に溜め込む人は、その物にある種の愛着を持っています。
つまり、大切な物を捨てられているから怒っているのです。
よく夫婦の喧嘩で夫のガラクタコレクションを妻が勝手に捨ててしまい、喧嘩になるようなケースがありますが、これはその典型です。
あなたから見て不用品であっても、家族からしたら大切な物の可能性はあります。
そのため物を片付ける際は「この辺り散らかっているから、片付けても良い?」と声をかけるようにしましょう。
また、勝手に捨てることはせずに整頓するだけにすると、争いを避けられるはずです。
3. 家を勝手に荒らされると感じる
片付けたら怒るのは、自分のテリトリーを荒らされていると感じるからかもしれません。
実家が散らかっているのに勝手に片付けると、親が激怒するような経験をした方も多いのではないでしょうか?
これは親としては自分の暮らしやすいように部屋を整えているのに、部外者が勝手に家を荒らしていると感じるために怒りを感じている状態です。
勝手に片付けるよりも「一緒にやろう」と声をかけるなどして、相手を尊重する姿勢を忘れないようにしましょう。
4. プライドが傷つく
片付けられると怒る理由は、本人のプライドが傷ついているのかもしれません。
自分でも片付けはできるのに、手を出されると「あなたにはどうせできないでしょ」と言われているような気がするのです。
特に自己肯定感が低い人、たまたま気分が落ち込んでいるような状態の時などは、相手の厚意もそのまま受け止められません。
5. 不用品やゴミが部屋にあることで安心している
不用品が身の回りにあることで孤独や寂しさを埋めている人がいます。
物理的に何かそばに置くことで安心するので、物をたくさんためこんでいるのです。
このような人に対して勝手に片付けを行うと、安心する場所を奪うことになり兼ねません。
この場合の根本的な原因は孤独なので、孤独を埋めるための代替案としてコミュニケーションをとるなどして、片付けを進めるのが正解です。
片付けたら怒る病気の人への対処法
あなたの家族が片付けたら怒る病気にかかっている、またはその疑いがある場合の対処法を解説します。
①医療機関を受診させる
片付けたら怒る原因が病気の場合は、医療機関を受診させる必要があります。
病気を治療しなければ部屋を片付けたり、落ち着いて説得するのも難しい場合があるからです。
先ほど紹介した統合失調症やうつ病、発達障害などは適切な投薬治療で改善する場合があります。
筆者にもADHDを持つ友人がいますが、投薬により非常に落ち着いて物事を整理できるようになり、片付けもできるようになったそうです。
また、ためこみ症についてもカウンセリングなどで認知の歪みを正すことができれば、一緒に片付けができる状態にまで回復が見込めます。
認知症の場合も投薬で症状を抑えられる可能性があるので、まずは医療機関を受診して相談すると良いでしょう。
②片付ける必要性を説明して理解を得る
仮に病気であっても、部屋が著しく散らかっていたり、汚れている場合は片付けが必要です。
その際は片付けの必要性を冷静に説明して、理解を得るようにしましょう。
火災や転倒のリスク、害虫の発生などデメリットを丁寧に説明して片付けなければならないことをわかってもらってください。
また、その際に「あなたの健康に影響がある」「片付けたらもっと気分が良くなるよ」など、ポジティブな声かけをすると本人も自分ごととして捉えられ、受け入れやすくなります。
③相手主導で一緒に片付ける
片付けると怒る病気の方は「片付けてほしくない理由」を持っていることが多いです。
そのため勝手に片付けると喧嘩になってしまいます。
この場合は、相手に片付けの主導権を持たせる状態を作って一緒に片付けをしましょう。
最初に本人と片付けの必要性について話し合い、一緒に片付けようと説得します。
その上で一緒に片付けをすれば、相手が感情的になることもないはずです。
片付けの際は「これはどこにしまえばいい?」「これは、本棚に入れるね」など、声がけをしながら整頓していきましょう。
片付けると怒る病気の方は本心では「あまり片付けたくない」と思っていることが多く、もしかしたらあなた自身がイライラしてしまうかもしれません。
ここで怒るとトラブルになってしまうので、少し我慢して少しずつでも一緒に片付け、完了したら「やっぱりできるじゃない」と褒めてあげると良いでしょう。
④相手が片付けしやすい工夫をする
冒頭で紹介した片付けると怒る病気別に、あなたができる工夫を説明します。
疾患名 | 具体的な片付け支援方法 |
統合失調症 | ・本人の気分が良いときに一緒に片付ける ・必要なら専門家の助けを借りる |
うつ病 | ・体調の良い時に声をかける ・気力が落ちている場合は片付け業者に依頼する |
認知症 | ・可燃・不燃など大きめに書いたゴミ箱等を用意する ・ゴミカレンダーを掲示する ・自治体のゴミ出し支援等を利用する |
ためこみ症 | ・再利用や寄付を提案して少しずつ手放させる |
発達障害 | ・ADHDの場合はタスクを整理して1つずつこなしてもらう ・自閉症の場合は専門家の助けも借りる |
片付けたら怒る病気にはそれぞれ特性があるので、その特性に寄り添った片付け支援が必要です。
ADHD民の服の収納は「吊るす」一択だと思ってる。押入れに衣装ケースとかマジで無理。半透明ケースでも消える。
— 🍉シン・ウルトラウトマン🍉 (@catsfreaknokyo) November 11, 2024
ADHDの家族がいる場合は「吊るす収納」も活用し、散らかりにくい環境を作ってあげましょう。
⑤プロの片付け専門業者の手を借りる
片付けたら怒る病気の人が部屋をゴミ屋敷にしたり、どうしても片付けに応じないような場合は、プロの片付け専門業者の手を借りましょう。
プロに任せればゴミ屋敷も最短数時間できれいになり、衛生的な環境を取り戻せます。
片付け業者を部屋に入れると暴れるかもと懸念される方がいますが、案外第三者が来ると大人しい方が多いです。
例えば筆者の祖母は認知症になり、家族が片付けをすると烈火の如く怒っていました。
しかし、福祉ヘルパーの方がきて家を片付ける際はすんなり受け入れており驚いた経験があります。
家族だと甘えもあって感情の振り幅が大きくなることもありますが、第三者に対しては感情をコントロールできるという実例はあります。
なお依頼前には医療機関にも相談して、一気に部屋を片付けても問題がないか確認してください。
お片付け24時で対応した片付けたら怒る方の部屋の片付け
【千葉県市川市】高齢者一人暮らしの2DKアパートでのゴミ屋敷清掃・片付け
千葉県市川市のお客様より、一人暮らしのアパートを片付けて欲しいという依頼をいただきました。
認知症がひどくなって徐々に汚部屋になっていったものの、片付けると怒るので放置せざるを得ない状況になったそうです。
しかし、認知症がかなり進行して施設へ入所することとなり、今回はスピーディに片付けられる弊社へご依頼いただくことに。
アパートの家財一切の回収ができて、支払いに融通がきく業者を探していた結果弊社を見つけていただいたそうです。
迅速に対応して欲しいとのことですぐに見積もりを取りに伺い、施設への引っ越しに間に合うようにすぐに片付けをいたしました。
片付けには6名のスタッフが伺い、不用品の仕分けと運搬の2チームに分かれて、作業を2日で完了。
お客様からも「これで安心して、親を施設へ送り出せます」とコメントをいただき、私どもも嬉しい気持ちになりました。
家族の部屋の片付けでお悩みならお片付け24時へご相談ください
片付けたら怒る症状の背景には、統合失調症、うつ病、認知症、ためこみ症、発達障害などの病気が潜んでいる可能性があります。
対処法としては、まず医療機関での適切な診断と治療を受けることが重要です。
片付けを進める際は一方的に片付けるのではなく、本人の気持ちに寄り添い、片付けの必要性を丁寧に説明しながら、相手のペースで一緒に進めることが大切です。
また、片付けられない病気の特性に応じた支援方法を工夫することで、スムーズな片付けが可能になります。
どうしても自力での対応が難しい場合は、専門の片付け業者に依頼することも選択肢の一つです。
お片付け24時ではこのような繊細な状況にも配慮しながら、迅速かつ丁寧な片付けサービスを提供しております。
経験豊富なスタッフが、ご家族の状況に合わせて最適な片付けプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
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