「汚部屋が原因で退去勧告を受けることがあるって本当?」
「家主から部屋を出ていって欲しいと言われたら、もう退去しか手はないの?」
汚部屋が原因で退去勧告されることはあります。
そもそも賃貸借契約では、借りた物件を適切に管理する義務があるのですが、汚部屋にしている場合はこの義務を怠ったとみなされるためです。
しかし、退去勧告=強制退去ではないので、あなたの行動次第ではその部屋に住み続けることも可能。
この記事では、汚部屋の退去勧告の法的根拠や強制力について解説したうえで、勧告を受けたあとの流れや部屋に住み続けるための対策を紹介しています。
また最後に現在経済的に困窮しており、引越しも片付けも難しいと悩む人向けの対策も掲載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
汚部屋住人に対する退去勧告とは

汚部屋を原因として家主が退去勧告をおこなう法的な根拠や、実際に追い出されるのかを解説します。
①家主は住民に対して退去勧告をする権利がある
そもそも退去勧告とは、貸主が借主に対して「家を出ていくように伝えること」です。
物件を貸している家主は、借地借家法に基づく『正当事由』に該当する場合に限り、住人に対して退去勧告をおこなう権利があります。
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
上記の条文によれば、以下のような事由によれば退去勧告や更新の拒否が認められます。
- 建物の老朽化によって倒壊するリスクがある
- 貸主や家族が居住する事情がある
- 再開発事業が計画されている
- 借主が契約違反をしている
- 借主が長期に渡って家賃を払っていない
- 借主が騒音や悪臭などの迷惑行為をしている
借主が物件を汚部屋にしているようなケースでは悪臭や害虫の発生によって近隣に迷惑をかけるだけでなく、物件の適切な管理義務を果たしていないと判断されれば、契約違反とみなされ、退去勧告の対象となる可能性があります。
②退去勧告を無視すると強制退去につながるリスクがある
退去勧告はあくまで「貸主が借主に出ていくように伝えること」であり、法的な強制力はありません。
つまり、退去勧告は裁判前の警告のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
しかし、警告だからといってこれを無視するのは危険です。
退去勧告を無視していると、家主が裁判所に退去を求める訴えをおこし、強制退去などの法的強制力がある手段に出る可能性が高いからです。
退去勧告された場合は速やかに片付けて契約更新の交渉をするか、退去するかを選ばなければなりません。
③過去には強制退去が認められた事例もある
過去には、汚部屋やゴミ屋敷が原因で強制退去が認められた事例もあります。
1つ目の判例では2年以上にわたって借家をゴミ屋敷にしていた借主が、強制退去の処分を受けました。
この判決では「2年以上にわたって常識を超えるゴミを放置したこと」「消防署等からの注意を無視したこと」「家主の注意を無視したこと」が認められ、賃貸契約解除が認められています。(東京地判平10・6・26)。
判例に多いのは「ゴミ屋敷」ですが、汚部屋であっても周囲への迷惑の度合い、家主からの注意を無視しているなどの事情が重なれば、同様に物件を退去させられる可能性は十分にあるでしょう。
汚部屋が原因で退去勧告されるケースとは

汚部屋が原因で退去勧告されるケースを2つ紹介します。
もしもお部屋がこのような状態になっている場合は、早急に片付けが必要です。
汚部屋が原因のゴキブリや悪臭でクレームになっている
汚部屋にゴキブリやネズミ、悪臭が発生して近隣からクレームを受けている場合は注意が必要です。
先ほどの判例でも紹介したように、近隣からのクレームの原因となっているほど部屋が汚い場合は、退去勧告の正当事由として認められる可能性が高いです。
また、家主の気持ちになって考えれば、ご近所トラブルを引き起こす原因となっている部屋の住人に対して「出ていって欲しい」と思うのは、ある意味当然でしょう。
家主がゴミ屋敷化や物件の損耗を恐れている
部屋が汚部屋になっていることを知った家主が、汚部屋からゴミ屋敷になること、または物件が損耗することを恐れている可能性もあります。
汚部屋はまだゴミ屋敷とは言えない状態ですが、そのまま放置すると大量のゴミが室内に埋め尽くされているようなゴミ屋敷になりかねません。
家主が「そうならないうちに」と退去勧告している可能性もあるでしょう。
また、汚部屋になっていることで物件が傷むのを恐れている可能性もあります。
汚部屋は換気や掃除などの手入れがされていない状態であり、このような状態が長期間続くと物件が通常以上の速度で劣化します。
家主としても「このままだと物件が使い物にならなくなる」と考えて、退去勧告しているのかもしれません。
アパートが汚部屋になると劣化してしまう理由はアパートの退去でかかる原状回復費用の相場って?汚いとどうして高くなるの?でも触れています。
家主から汚部屋が原因で退去勧告された場合の対処法

もしも家主から汚部屋が原因で退去勧告された場合の対処法を紹介します。
①退去するかどうか検討する
家主から退去勧告を受けたら、退去するかどうかを検討しましょう。
退去勧告に直接的な強制力はありませんが、そのまま放置していては、そのうち法的手段を取られる可能性があります。
金銭的な事情も考えてすぐに引越しが可能かどうか考えましょう。
もしも退去が難しいなら、家主に謝罪して居住を継続させてもらうように交渉が必要です。
②速やかに部屋を片付ける
物件を退去するにしても、しないにしても、速やかに汚部屋を片付けましょう。
退去勧告を受けてなお部屋を放置していれば、それを理由として法的手段に移行する可能性もあります。
また、退去勧告を受けるということはすでに近隣の人に迷惑をかけている可能性も高いので、早く部屋を片付けて原因を解消しなければなりません。
汚部屋の片付けを自力でしたい方は汚部屋の片付けはどこから始めるのが正解?失敗しない片付け方を解説!をご覧ください。
③近隣に迷惑をかけている場合は謝罪まわりをする
退去勧告の際に「近隣からクレームが入っている」などと言われている場合、またはすでに直接文句を言われている場合は、謝罪周りも必要です。
家主や管理会社に「謝罪に行きたい」と伝えたうえで、菓子折りなどをもって挨拶に行きましょう。
なお、プライバシー保護の観点から誰がクレームを入れたかは教えてもらえない場合がほとんどです。
その場合は家主や管理会社にお詫びを伝えてほしい旨と、菓子折りを渡しておけば、代理で謝罪の意を伝えてくれますよ。
④家主や管理会社に片付けが済んだことを報告する
汚部屋の掃除が終わったら、家主や管理会社に掃除と片付けが済んだことを報告しましょう。
場合によっては家主や管理会社が部屋に来て、状況を確認することがあります。
片付いた部屋を家主や管理会社に見せることで、退去勧告を取り下げてもらえることもあるので、絶対に報告は欠かさないでください。
もしもその物件に今後も住み続けた場合は、家主や管理会社に謝罪したうえで「この状態をキープします」と約束したうえで、賃貸契約の継続を交渉すると良いでしょう。
⑤引越す場合は解約手続きをする
物件から退去することを決めたら、片付け後に解約手続きをしましょう。
解約は退去予定日の1ヶ月前(契約によっては2ヶ月前のこともある)にはする必要があるので、片付けが終わり次第手続きをしてください。
退去勧告後もその家に住みたい場合の対処法

退去勧告を受けた後もその部屋に住み続けたいと思うなら、以下3つの対処法を試してみてください。
対処法1:すぐに汚部屋を改善する
退去勧告を受けたあともその部屋に住み続けたいなら、汚部屋の片付けが必須です。
原因となった部屋の状態を改善し、今後汚さないことを証明できれば、家主や管理会社も理解を示してくれるかもしれません。
ただし、すでに「部屋を汚す人」と思われているので、かなり部屋をキレイにしないと納得はしてもらえない点に注意してください。
自力での掃除だと片付けが完璧にできない可能性があるので、プロに依頼するのがおすすめです。
ちなみに、退去勧告を受けてすぐに「住み続けたいです」と言っても信用されないので、速やかに片付けをして、その後に交渉をするのがおすすめです。
対処法2:家主や管理会社・近隣住民に謝罪する
汚部屋の片付けや掃除が終わったら、家主や管理会社、近隣住民へ謝罪しましょう。
素直に謝罪することで誠意が伝わり、物件の継続を認めてもらえる可能性があります。
謝罪の際は言い訳ではなく「この度は部屋を汚してしまい、大切な財産を傷つけてしまって申し訳ありませんでした」と謝り、今後部屋を汚さないこと、そのための具体的な改善対策を伝えるようにしましょう。
謝罪だけでなく、菓子折りなどをもって行くと誠意が伝わりやすいです。
その際に、物件に住み続けたい旨を伝えて「部屋を片付けたので、よかったらご覧いただいてそこで判断してください」とお願いしましょう。
対処法3:片付けた部屋を見てもらい契約継続の交渉をする
最後のステップは、実際に片付け終わった部屋を家主や管理会社に見てもらうことです。
言葉だけでなく実際の状況を確認してもらうことで、信頼を取り戻し、契約継続を認めてもらえる可能性が高まります。
交渉の際には改めて謝罪を伝えたうえで、今後部屋を清潔に保つための具体的な工夫を提案してください。
なお、一度「部屋を汚す人」と思われている以上、言葉だけでは信用されにくいため、実際の仕組みづくりをアピールするのが大事です。
例えば、定期的に家事代行サービスを利用することを約束したり、実家の母や家族に片付けを手伝ってもらう体制を作ったりと、客観的に再発防止が期待できる方法を伝えると効果的です。
「もう汚しません」だけでなく「こういう工夫を続けるので安心してください」と具体策を示すことで、管理会社や家主の不安を和らげ、契約継続の交渉がしやすくなります。
汚部屋の退去勧告を受けたら片付け専門業者へ依頼しよう

退去勧告を受けてしまうレベルの汚部屋を自力で片付けるのは難しいです。
さらに自力での片付けは時間もかかるため、家主や管理会社へ誠意を示すためにも、専門業者に依頼して早急に部屋の状況を改善しましょう。
①片付けやハウスクリーニングを一度に依頼できる
片付け専門業者は、不用品の仕分け・回収・運搬から、掃除・ハウスクリーニングまで一括で対応してくれる場合が多いです。
そのため、複数の業者に依頼する必要がなく、短期間で部屋全体を清潔に戻すことが可能です。
特に悪臭やカビ、害虫が発生しているようなケースでは、自分で掃除しても根本的な改善には至らないことが多いため、専門業者の徹底クリーニングが必要になります。
一気に部屋をキレイにするためにも、専門業者に掃除と片付けを依頼しましょう。
②業者を入れることで家主に誠意をアピールできる
片付けの専門業者を自腹で呼ぶことは単に部屋をキレイにするだけでなく、家主や管理会社に対して「改善に本気で取り組んでいる」という誠意のアピールにもなります。
自力で掃除をするのとは違い、費用をかけてプロに依頼したという行動自体に、誠意を感じてくれる家主や管理会社もいるはずです。
一度汚部屋をリセットする意味を込めて徹底的に清掃したことを示せば、家主や管理会社も「誠意をもって対応してくれた」とあなたへの信頼を取り戻すかもしれません。
③自力よりも確実に部屋をキレイにできる
汚部屋とはいえ、長期間掃除や片付けがされていない物件に蓄積した汚れは、素人の掃除では落とせないことが多いです。
一方で片付け業者は片付けや掃除の専門的な知識をもち、また専門の洗剤や道具なども揃っているため、自力では無理なレベルまで部屋をキレイにできます。
また、片付けや簡単な清掃以外にハウスクリーニング、害虫駆除も依頼できるので、今汚部屋が原因で起きているトラブルの徹底的な解決が可能です。
お金がなく汚部屋の片付けや引越しが難しい方へ

汚部屋が原因で退去勧告を受けたものの、お金がなく片付けも引越しもできないと悩んでいる方もいるでしょう。
そんな方のために、今できる対策をお伝えします。
①市役所や地域包括支援センターへ相談する
生活に困窮しており引越しも片付けも難しい場合は、市役所や地域包括支援センターへ相談しましょう。
経済的な困窮に対しては生活保護や住宅扶助などの支援が受けられる可能性があります。
また、心身の障がいなどをおもちの場合は、地域包括支援センターからヘルパーを派遣し、部屋の片付けを手伝ってもらえるような福祉支援を利用できます。
支援の範囲や内容は自治体によって違うため、条件に当てはまる場合は最寄りの市役所や地域包括支援センターへ連絡してみましょう。
全国の地域包括支援センターは、以下のリンクから検索できます。
②法テラスで退去勧告の妥当性について相談する
退去勧告を受けても、それが必ずしも妥当とは限りません。
例えば「部屋が少し散らかっている程度」で近隣に悪臭や害虫被害が出ていないのに退去を迫られた場合や、契約書に明確な禁止事項がないのに一方的に勧告された場合などは、正当事由にあたらない可能性があります。
こうした「妥当かどうかの線引き」は一般の人では判断が難しいため、法テラスで無料法律相談を受けるのがおすすめです。
専門家に状況を説明すれば、退去勧告が正当なものなのか、交渉の余地があるのか、あるいは立退料を請求できるのかといった具体的なアドバイスを受けられます。
③片付け業者の分割払いや後払いを利用する
汚部屋の片付けを進める方針なら、分割払いや後払いができる業者へ片付けを依頼しましょう。
一括で汚部屋の片付け費用を支払うのがきつくても、分割や後払いなら今すぐの負担を減らせます。

なお、お片付け24時では最大60回までの分割払いが可能です。
クレジットカードがない方でもご利用いただける独自のローンで、お仕事をされている方ならどなたでも審査を受けていただけます。
お片付け24時で対応した汚部屋掃除の事例

【神奈川県大和市】寝るスペースしかない早期の汚部屋の片付けと不用品回収
神奈川県大和市のお客様から、汚部屋掃除のご依頼をいただきました。
掃除や片付けに苦手意識がある中で、帰宅後に片付ける余力もなく、気づけば部屋中にペットボトルやゴミ袋が積み重なり、トイレには黒カビが繁殖。
辛うじて布団周りだけに寝るスペースを確保しているものの、生活空間としては限界を迎えていました。
こうした背景からお部屋は汚部屋化し、ついには家主から「このままでは近隣への迷惑や建物の損耗につながる」と退去勧告を受けてしまったのです。
「引っ越す資金もなく、このままでは住む場所を失ってしまう」と危機感を持ち、分割払いに対応できる当社にご相談いただきました。
【作業内容】
- 大量のゴミ
- 不用品の分別と回収
- 布団やマット下に生えたカビの撤去
- 室内全体の清掃
【作業時間】1.5日
作業中は異臭やコバエが発生していましたが、ゴミの搬出と清掃を経て衛生的な空間を回復。
お客様からは「やっと人間らしい部屋になった。家主さんにもこの部屋を見てもらいたいと思います」と感謝の言葉をいただきました。
汚部屋の退去勧告を受けてお困りならお片付け24時へお任せください

汚部屋の退去勧告を受けたら、まずすべきはお部屋を早急に片付けることです。
退去するにしても、住み続けるための交渉をするにしても、片付けをしなければ話になりません。
自力での掃除は片付けに時間もかかり、また汚れが落とせない可能性もあるので、専門業者へ依頼するのがおすすめです。
汚部屋の退去勧告を受けて早急に片付けをしたい方は、お片付け24時へご連絡ください。
24時間365日、早朝や深夜対応も可能なので、お急ぎの方でも即日汚部屋掃除の見積もりと片付けの実施が可能です。
お部屋のリセットだけでなく、今後もお部屋をキレイに保つアドバイスもいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。


















