「自分が所有・管理する賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化してしまった」
お片付け24時には、こうした大家さま・管理会社さまからのご相談が数多く寄せられます。
近年はゴミ屋敷が深刻な社会問題の1つとなっており、賃貸マンションを所有・管理する大家や管理者にとっては決して他人事ではありません。もし賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化した場合には、正しい知識を身に付けてなるべく早めに対処することが重要です。
この記事では賃貸マンションを所有・管理する大家や管理者に向けて、賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化した場合のリスクや対処法などについて解説していきます。
目次
マンションがゴミ屋敷化する4つの理由

賃貸マンションを所有・管理する大家・管理者にとって、ゴミ屋敷問題は他人事ではありません。なぜなら、近年は一軒家よりもマンションの方がゴミ屋敷化しやすい傾向にあるからです。
マンションがゴミ屋敷化しやすい主な理由は次の4つです。
- マンション特有のゴミ出しルールが厳しく、ゴミ出しが疎かになりやすい
- 近所付き合いが少なく、隣人意識が欠如しやすい
- 外から室内が見えにくく、室内が汚れていても気にならなくなる
- 高齢者の単身世帯が増加している
特に注目すべきは、高齢者の単身世帯の増加です。高齢者は身体機能や認知機能が低下しやすく、周囲にサポートしてくれる人がいない一人暮らしの環境では、特にゴミ屋敷化が進行しやすくなります。
賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化することの4つのリスク

賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化すると、その部屋だけの問題では済まず、マンション全体にさまざまな悪影響を及ぼします。ここでは代表的な4つのリスクを解説します。
①悪臭や害虫の被害が拡大する
長期間放置された生ゴミや食品容器に残った汚れなどは強い腐敗臭を放つようになり、換気扇・配管・壁の隙間などを通じて隣の部屋や廊下、さらにはエレベーターや上下階の部屋まで広がる可能性があります。
また、生ゴミや腐敗臭はゴキブリやハエなどをおびき寄せるため、ゴミ屋敷化した部屋で大量繁殖した害虫がマンション内を移動して、他の部屋に侵入する可能性もあります。
このように、マンションのような集合住宅では悪臭や害虫の被害が拡大しやすく、一室の環境悪化がマンション全体の住環境を大きく悪化させてしまうこともあるのです。
関連記事:ゴミ屋敷で虫を見つけたら?発生する害虫の種類と放置してはいけない理由を害虫駆除のお片付け24時が解説
②火災や自然災害が発生したときの被害が大きくなる
通常、マンションの火災は火元となった一室に被害が留まるケースが多いですが、ゴミ屋敷化した部屋には紙・布・プラスチックなどの可燃物が大量に蓄積しているため、一気に燃え広がって他の部屋まで被害が拡大する可能性が高くなります。
また、地震や台風などの自然災害が発生した際も、大量のゴミやものが倒壊することで負傷事故が起きたり避難経路を塞いだりして、被害が拡大する可能性もあります。
このように、マンションの一室がゴミ屋敷化することは、災害発生時にマンション全体にまで被害を拡大させるリスクをはらんでいるのです。
関連記事:ゴミ屋敷は火事のリスク大!命も財産も一瞬で失う前に知るべき原因と対策
③住民同士のトラブルが発生しやすくなる
ゴミ屋敷の存在はそのマンションに住む人にとって大きなストレス要因となるため、住民同士のトラブルが発生しやすくなるというリスクもあります。
具体的には次のような事例が挙げられます。
- 近隣住民がゴミ屋敷の住人へ直接苦情を言って、口論に発展する
- ゴミ屋敷の住人を追い出すために、近隣住民が嫌がらせをする
このようなトラブルが続けばマンション全体の住環境を悪化させ、さらには「なぜこの状況を放置しているのか」といった大家や管理者に対する不信感につながることもあります。
そういった事態を防ぐためにも、賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化したときは、大家や管理者が早期に介入することが重要です。
④マンションの資産価値が下がる
賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化すると、マンションの資産価値そのものにも悪影響を及ぼします。
| 起きる事象 | 結果 |
| 悪臭や害虫被害が他室に広がる | 現入居者の退去増加 |
| 異臭が廊下まで漏れ出る | 内見時の印象悪化 |
| カビや害虫・害獣で建物が汚損 | 物理的劣化の加速 |
| 住民がネット・SNSに不満を投稿 | 物件評判の低下 |
これらはいずれも空室率の上昇につながり、オーナーにとって大きな収益減を招きます。
賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化したときの注意点

賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化するとさまざまな悪影響を及ぼすため、大家や管理者はなるべく早めに対処する必要があります。とはいえ、ここで焦って対応を誤ると法的なトラブルに発展したり、問題がかえって深刻化・複雑化したりする可能性もあります。
ここからは、賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化したときの大家や管理者の注意点について見ていきましょう。
①ゴミを勝手に処分することはできない
マンションの住民から「早くなんとかしてくれ」と急かされたとしても、大家や管理者が入居者の室内のゴミを勝手に処分することはできません。
なぜなら、たとえ明らかにゴミに見えるものであっても、入居者の所有物であることに変わりはないからです。迷惑住人の是正は大家や管理者の仕事ですが、その住人の所有物を勝手に捨てる権利まではありません。
そのため、本人に無断で処分してしまうと、「住居侵入罪(3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)」や「器物損壊罪(3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)」に問われる可能性があります。
また、廊下にゴミが置かれている場合も、勝手に処分するのは避けるべきです。管理規約で共用部分に私物を置くことを禁止していたとしても、いきなり処分するとトラブルに発展しやすいため、まずは口頭や文書で注意するなど段階を踏んだ対応が必要です。
②ゴミ屋敷を理由にすぐに賃貸借契約を解除することはできない
ゴミを勝手に処分できないのであれば、賃貸借契約を解除して入居者を退去させたいと思う大家や管理者もいるかもしれません。しかし、日本の賃貸借契約は借主(賃借人)保護が非常に強く、ゴミ屋敷を理由に直ちに賃貸借契約を解除することはできません。
実際、東京地裁は過去の判例(平成10年6月26日)において、「貸室内におけるゴミの放置状態が多少不潔であるからといって、そのことが直ちに賃貸借契約の解除事由を構成するということではない」という見解を示しています。
詳細は後述しますが、賃貸借契約をこちらから解除してゴミ屋敷の入居者を退去させるには「明け渡し訴訟」を行い、裁判所に認めてもらう必要があります。
③入居者のプライバシーには細心の注意を払う必要がある
ゴミ屋敷問題はセンシティブな問題であるため、対処する際は入居者のプライバシーに細心の注意を払う必要があります。
例えば、以下のような行動はプライバシー侵害や人権侵害になる可能性があるため、避けた方が賢明です。
- マンションの掲示板で「〇〇号室がゴミ屋敷である」と公開する
- 他人にも見える形(ドアへの張り紙など)で注意する
- ゴミ屋敷化した室内の写真を無断で撮影する
ゴミ屋敷に陥る人は、何らかの心理的な悩みを抱えている人も少なくありません。そういった事情を無視した強引なやり方は本人をさらに追い詰め、かえって問題を深刻化・複雑化させることにもなりかねません。
賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化したときの対処法

前述の通り、ゴミ屋敷化を理由に勝手に片付けたり、すぐに賃貸借契約を解除したりすることはできないため、問題解決には段階を踏んだ対応が必要です。
ここからは、賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化したときの大家や管理者の対処法について解説します。
①口頭や文書で入居者に注意する
まずは、入居者に対して口頭や文書で注意するところから始めましょう。
【具体的な方法】
- 在宅時に訪問する
- 電話をかける
- 郵便受けに注意文書を投函する
最初から「今すぐに片付けてください」といった、強い対応をするのは逆効果です。まずは相手の事情に耳を傾けたりこちらで片付け業者を紹介したりするなど、相手に寄り添う姿勢を示せば、この段階で改善されるケースも一定数あります。
なお、後に明け渡し訴訟を起こす場合には、「何度も注意したが状況が改善されなかった」ことを裁判所に示す必要があるため、注意の履歴(日時・内容)は必ず残すようにしましょう。
②行政機関に相談する
賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化したときは、以下のような行政機関に相談するのも1つの手です。
- 役所の環境課や衛生課
- 地域包括支援センター(入居者が65歳以上のケース)
- 警察署(「道路にゴミがはみ出ているケース」や「不法投棄をしているケース」など)
- 消防署(「火災発生のリスクが高いケース」や「避難経路が阻害されているケース」など)
相談したからといって必ずしも動いてくれるとは限りませんが、必要に応じて行政機関が入居者への指導や改善に向けた支援を行ってくれることもあります。
なお、地域包括支援センターや警察署・消防署は一定の条件下でしか相談できないため、最初は役所の環境課や衛生課に相談するのがおすすめです。
③内容証明郵便を送る
入居者に何度注意しても改善が見られない場合には、内容証明郵便を送りましょう。
内容証明郵便は「いつ」「誰が」「誰に」「どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が公的に証明するサービスです。
通常、日常生活において内容証明郵便が送られてくることは滅多にないため、入居者に心理的なプレッシャーを与える効果に期待できます。また、内容証明郵便は解除通知の役割も果たす他、明け渡し訴訟を起こした場合の有力な証拠にもなります。
【内容証明郵便に記載する内容】
- 現在の問題点とこちらの要求(改善の内容)
- 対応の期限
- 期限までに対応しない場合には賃貸借契約を解除する旨
④明け渡し訴訟を起こす
期日になっても改善が見られず、なおかつ入居者が退去しない場合には、最終手段として明け渡し訴訟を起こします。
【明け渡し訴訟の流れ】
- マンション所在地を管轄する地方裁判所への訴状の提出
- 裁判所の審理
- 判決(物件から退去して部屋を明け渡すことを命じる判決)
- 強制執行
前述の通り、ゴミの放置状態が多少不潔な程度では直ちに賃貸借契約の解除事由にはならないため、「具体的な被害状況」と「再三注意しても改善されなかった証拠(注意の履歴)」をしっかりと示すようにしましょう。
こちらの主張を認められれば、裁判所から物件から退去して明け渡すことを命じる判決が下されます。それでも入居者が物件に居座り続ける場合には、強制執行によって物件から退去させることができます。
ゴミ屋敷化したマンションの一室を原状回復するときの注意点

ゴミ屋敷の入居者が退去した後は、次の人が住めるように原状回復をする必要がありますが、その際にも気を付ける点がいくつかあります。
ここからは、ゴミ屋敷化したマンションの一室を原状回復するときの注意点について見ていきましょう。
経年劣化の部分は入居者に費用請求できない
部屋をゴミ屋敷化させてしまったのは入居者の故意・過失にあたるため、原則としてその原状回復にかかった費用は入居者に請求できます。ただし、その場合であっても、経年劣化の部分は費用請求できない点に注意が必要です。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では「原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すものではない」と明記した上で、原状回復費用の賃借人の費用負担については、建物や設備などの経過年数を考慮することと定めています。
そのため、部屋をゴミ屋敷化させた場合であっても、経年劣化による価値の低下を考慮し、その分を差し引いた金額までしか入居者には請求できないのです。
| 経年劣化にあたるものの例 | 経年劣化にあたらないものの例 |
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関連記事:ゴミ屋敷の原状回復費用とは?費用の相場と出費を抑えるポイント
信頼できる片付け業者に依頼する
ゴミ屋敷の片付けは基本的に専門の業者に依頼することになりますが、その場合は信頼できる片付け業者に依頼するようにしましょう。
一口に片付け業者と言っても、業者によってサービスの内容や質はさまざまであり、中には不当に高額な料金を請求してくる悪質な業者も存在します。業者に支払った料金は後で入居者に請求できるとはいえ、あまりに高額な料金では回収できない可能性が高くなるため、なるべく信頼できる業者を選ぶことが重要です。
業者を選ぶ際は、料金体系の明確さ・実績件数・対応の誠実さ・分割払いなど支払い方法の柔軟性を確認するとよいでしょう。
ゴミ屋敷化したマンションに関するよくある質問

最後に参考として、ゴミ屋敷化したマンションに関するよくある質問とその回答を紹介します。気になる質問があれば、ぜひチェックしてみてください。
Q1. マンションの一室がゴミ屋敷化した場合に隣人が取れる対処法は?
隣人の場合は自分で対処しようとするのではなく、オーナーや管理会社に相談するようにしましょう。もしオーナーや管理会社に相談しても改善が見られない場合には、役所の環境課や衛生課に相談してみることをおすすめします。
いずれにせよ、自分で直接注意して解決しようとすると隣人との間でトラブルになりやすいため、第三者に対応を依頼した方が賢明です。
Q2. 分譲マンションでもゴミ屋敷を理由に退去させることは可能?
分譲マンションには所有権があるぶん賃貸マンションよりもハードルは高いですが、ゴミ屋敷を理由に住人を退去させることは可能です。
分譲マンションについては「建物の区分所有等に関する法律」が定められており、所有者の共同の利益に反する行為があったときは、管理組合の集会決議に基づいて使用禁止や競売を請求できることがあります。
そのため、「再三の注意 → 管理組合の集会決議 → 法的措置」というステップを踏めば、使用禁止や競売という形でゴミ屋敷の住人を追い出せる可能性があります。
参考:e-gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律第五十八条・第五十九条
賃貸マンションのゴミ屋敷問題でお困りなら「お片付け24時」へ

賃貸マンションの一室がゴミ屋敷化するとさまざまな悪影響を及ぼすため、大家・管理者は早めに手を打つ必要があります。とはいえ、対応を焦ると法的トラブルや問題の深刻化を招くため、段階を踏んだ慎重な対応が欠かせません。
「ゴミ屋敷化した部屋の片付けと原状回復をまとめて任せたい」 「入居者から費用回収できるか不安なので、適正価格で対応してほしい」 「すぐに動いてほしいが、業者選びで失敗したくない」
このようなお悩みは、ゴミ屋敷の片付け実績が豊富なお片付け24時にお任せください。
お片付け24時は、5年連続でお問い合わせ件数5,000件を突破したゴミ屋敷専門の片付けサービスです。次の点で大家さま・管理者さまから選ばれています。
- 24時間365日受付・即日対応OK:近隣住民からのクレームが入った後でも素早く動けます
- 分割払い利用率第1位:入居者本人へ費用請求する場合の分割払い・後払いに対応(頭金0円・最大60回分割、クレジットカードがなくてもOK)
- オプションサービスが充実:不用品回収・粗大ゴミ回収・ハウスクリーニング・害虫駆除・消臭まで一括対応可能で、原状回復までワンストップ
- 日時指定可能:他の入居者への影響が少ない時間帯での作業も相談可能
お見積もり・ご相談は無料です。賃貸マンションのゴミ屋敷問題でお悩みの大家さま・管理会社さまは、まずはお気軽にお問い合わせください。


















